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GoogleAppsScriptの変数と定数の使い方

Google Apps Scriptを使い始めると、変数の使い方について戸惑うことがあります。

変数って何だろう?どのように使えばいいのだろう?という疑問が浮かぶことでしょう。

初めてのプログラミング言語やスクリプトを学ぶとき、みんな同じように感じます。

私も最初は変数の概念に戸惑いました。

しかし、少しずつ理解していくことで、プログラムを書く楽しさを感じることができました。

それでは変数と定数について学習していきましょう!

変数とは?

変数とは?

データを一時的に保存するための入れ物です。
変数は何度も値を変更することができます。

例えば、計算結果やユーザーからの入力値を保持したり、プログラム内で使い回したりするのに便利です。

定数とは?

定数とは?

固定データを保存するための入れ物です。
定数は一度値を設定すると、値を変更することができません。
const は設定値を変更しない変数を宣言する際に利用するキーワードです。

変数と定数の情報を表にまとめると、下記のようになります。

種類 宣言方法 特徴
変数 var・let 設定値を変更できる
定数 const 設定値を変更できない

変数と定数の宣言方法

Google Apps Script(GAS)では、varletで変数を宣言でき、constで定数を宣言することができます。

それぞれ下記のようにvarletconstのあとに変数名を書いて、=で接続して値を設定します。

下記の例では文字列を設定しています。

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// varの宣言方法
var varName = "varの宣言方法";

// varの宣言方法
let letName = "letの宣言方法";

// varの宣言方法
const constName = "constの宣言方法";

それぞれの方法の違いと使い分けを以下に詳しく解説します。

  • var (V8ランタイム以前も対応):
    • varは、もともとのGASでの唯一の変数定義方法でした。
    • 2020年にGASがV8ランタイムにバージョンアップされ、letconstといった変数定義方法も利用可能になりました。
    • 既存のGASコードやネット上のソースコードは、引き続きvarを使っていることが多いです。
    • 再代入が可能です。

  • let (V8ランタイムのみ対応):
    • letはGASのV8ランタイムから対応となりました。
    • varとは異なるスコープ範囲を持ち、ブロックスコープ内でのみ有効です。
    • 再代入することが可能です。

  • const (V8ランタイムのみ対応):
    • constで定数が宣言できます。
    • 再代入が不可能であり、あらかじめ決まった値を利用したい場合に適しています。

以下に、これらの変数宣言方法の違いを表にまとめました。

変数宣言方法 再代入可能性 バージョン
var 〇:可能 V8ランタイム以前で利用可能
let 〇:可能 V8ランタイムのみ対応
const ×:不可能 V8ランタイムのみ対応

スコープとは?

スコープとは、変数や定数が参照できる範囲を指します。つまり、変数や定数が使える場所のことです。

スコープの中で定義された変数は、そのスコープの内側でのみ参照できます。

一方、スコープの外側からは参照できません。

この仕組みにより、変数の有効な範囲が限られ、範囲の外へ影響を及ぼすことを防ぐことができます。

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// グローバル変数(global)を宣言
var global = 100;

// 関数の外で呼び出す
Logger.log("関数外でglobal変数を出力: %s", global)// 100を出力する
// Logger.log(local); // エラーになる

// {}内で変数「sample」は参照できる
{
let blockScope= 'ブロックスコープです!';
console.log(blockScope); // 'ブロックスコープです!'
}

// main関数
function main() {
    var local = 200;  // ローカル変数(local)を宣言する

    // 関数の中で呼び出す
    Logger.log("関数内でglobal変数を出力: %s", global);// 100を出力する
    Logger.log("関数内でlocal変数を出力: %s", local);  // 200を出力する
    // Logger.log(blockScope); // エラーになる
}

グローバルスコープ

上記のコードでvar global = 100; の部分で宣言しているglobalがグローバル変数と呼ばれるものです。

上記のコードを実行すると、関数の外でもLogger.log("関数外でglobal変数を出力: %s", global) で100が出力され、

関数の中でもLogger.log("関数内でglobal変数を出力: %s", global);// 100を出力する で100が出力されます。

つまり、グローバルスコープは、どこからでもアクセスして書き換えることができるのです。

ローカルスコープ

ローカルスコープの中には「関数スコープ」と「ブロックスコープ」の2つがあります。

関数スコープ

上記のコードをそのまま実行すると、関数内でローカル変数(local)が宣言されているので、Logger.log("関数内でlocal変数を出力: %s", local); // 200を出力する の部分で200が出力されます。

ただし、// Logger.log(local); // エラーになる の部分の先頭の//を削除してから実行するとエラーが発生します。

localはmain関数の中でしか宣言されていないため、

関数スコープは、宣言された関数の外ではアクセスすることができません。

ブロックスコープ

ブロックスコープは、{}で囲まれた部分でのみ有効なスコープです。

blockScopeは{ }で囲まれた中で宣言されていて、ブロックスコープです! が出力されます。

ただし、main関数内の // Logger.log(blockScope); // エラーになる の部分の先頭の//を削除してから実行するとエラーが発生します。

ブロックスコープは、{ }で囲まれた中でしか、アクセスすることができません。

変数スコープの概念図を下記にまとめてみたので、イメージを整理してみてくださいね。

ここまで学習できたあなたは変数についての知識がちゃんとついています。

さあ、Google Apps Scriptで変数を使ってみましょう!

簡単なスクリプトを書いて、変数の使い方を実感してください。


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